木のぬくもりのあるこだわりの空間で
家族がひとつに
ご実家が製材所を営む田口さん。
あまりにも身近すぎて、
木に無頓着に育ったそうですが、
その後マンションやテラスハウスでの生活を通し、木のあたたかみを恋しく感じたそうです。
今はご主人と3人のお子さんと一緒に、
東濃ひのきを使った木の家に
生活の拠点を置かれています。
家族への想いが詰まった木のある暮らしについて、奥様に語っていただきました。
第1章 住まいへの想い
2つのタイプの家に住んだ経験から、
最終的に自然に囲まれた
暮らしに行き着いた田口さん。
木の家にどんな想いが
込められているのでしょうか。
家族とのあたたかな時間が流れる家
私の要望は「明るくてあたたかい家」。木が醸し出す独特のぬくもりもそうですけど、家族がひとつの空間を共有することで生まれるあたたかさを、大切にしたかったんです。
以前住んでいたマンションやテラスハウスでは、動線が望むようなものではなかったり、使われている木が無垢ではなかったり…。住んでみて「ここがこうだったら」と、感じることがいくつかありました。そんな経験から、機能的で満足がいく家を建てたい。それも、柔らかな風合いの東濃ひのきを贅沢に使って、という気持ちが次第に強くなり、そんな想いからこの木の家をつくりました。
玄関から続く廊下やリビングには大きな窓をはめ込んで、自然の光を味方にしました。昼間は照明なんかいらないですね。陽があちこちから射し込みとても明るいんです。 それからひとつの空間を家族で共有できるように、リビングは大きく吹き抜けにして、部屋のドアは玄関以外全部引き戸にしました。家の中にひとつの大きな部屋をつくった、そんなイメージです。
自然のめぐみと成長を共にする楽しさ
この家は、構造材や内装材に無垢材を使っているのはもちろんですが、つくりつけの家具、建具、玄関扉に至るまで、多種類の無垢材を使っています。壁も漆喰で、化学塗料や化学製品がほとんどない100%自然の木の家なんです。やっぱり子どものことや長く住むことを考えると、自然に勝るものはありません。それに、自然のものって使えば使うほど味が出てきますよね。実際に何年か住んでみて、無垢の白さも随分落ち着いてきて。確かに傷は多少目立ちますが、それも一緒に成長している感があって、かえっていいものですよ。
木の家は建てて終わりではなくて、住みはじめてからも成長を感じられるんです。これも楽しみ方のひとつですね。傷も人工的なものに付くのとは違って愛着が沸いてくるし、不思議と木の風合いを高める要素になってくれるんです。
木は、私たちの暮らしの中に自然に取り込めます。「木の家に住むんだ!」と身構える必要なんてないですよ。「いつも木と一緒に」くらいの感覚で十分にいい関係ができると思います。